(臨)北斗星搭乗記

urano_kazumi2015-05-11

http://www.jreast.co.jp/cassiopeia/hokutosei/time.html



いわゆる鉄っちゃんでなくとも、北斗星と言う列車の名称
そして先日のダイヤ改正を持って、この列車が廃止されてしまったコトは
ご存じな方が多いのではないでしょうか・・・?
あたしにとってこの北斗星とは、ずっと憧れをもって眺めていた列車であり
長きに渡って東北線沿線に住んでおりましたので、見慣れた列車でもありました。


残念ながら、現役時代のこの列車には乗るコトが出来ませんでした。
しかし・・・コンサートでいえば“アンコール”に該当すると思われますが
隔日で運転されている、この臨時・北斗星に乗車するコトになりましたので
その体験記を残しておきたいと存じます。





●行路票

1620    1115
上野    札幌(北斗星)


1910    2050
新千歳   羽田(SKY726)



都区内→札幌  \15,840-(R&R割引)
特急券・寝台券 \9,540-
SKY           \13,000-(いま得)      
駅レンタカー  \5,630-
羽田空港P2   \3,000-

以下・・・時系列にて。
ハナシは4月6日に遡ります(笑



◆4月6日 JR札幌駅にて
北斗星同様、その去就に注目の集まる“急行はまなす”
この列車に乗車するために訪れていた札幌駅、そのみどりの窓口にある
電光掲示板をうっかり見てしまったのがすべてのはじまり・・・。
そこには・・・北斗星・空席あり』の文字が。。。
臨時列車のチケットなんて、ZETTAIに手に入らないと諦めておりましたので
ココで一気に現実味を帯びて来ました。


◆5月1日 JR栗橋駅にて
1ヶ月後の乗車をめざし、いわゆる『10時打ち』に参戦するも撃沈orz
まぁ・・・現実はこんなモンだと気付かされました。。。


◆5月9日 JR宮原駅にて
キャンセル狙いで『とりあえず(マルス)叩いて貰えますか?』とお願いすると
駅員氏からは予想外の返答が・・・『解放B(寝台)ならいくつか空いてます』
確かその時点で14席くらい空いていました、もちろん個室は完パケなのですが。。。
長時間を窓の無い上段で過ごすのはツラいので、下段限定でお願いしたところ
それも大丈夫であると。
ソコで急に思い立ったのが・・・『あ、おふくろも連れていってやろう』と。
あたしが頻繁に鉄道旅をしているのを知っていて、『一度くらい連れて行け!』と言われていたので(笑
幸いに連番で下段があると言うのでゲット、乗車2日前ゆえ帰宅後に慌てて帰路の確保に。


◆5月11日 JR浜松町駅にて
帰りのアクセスを考慮し、羽田空港の駐車場に愛車を預けモノレールで同駅へ。
みどりの窓口で乗車券を買おうと並んでいたら、2人前の方が駅員氏にこんなリクエストを


『今夜の北斗星・個室空いていませんか?』


やっぱり・・・人気あるんですよね(汗


◆5月11日 15:00 上野駅
どうせ乗るなら、推進運転による入線からその姿を拝みたいのは当然の発想(笑
入線時刻が15:35前後と言うのは調べていたので、ソコにあわせて現地13番線入り。
なにしろ長旅になるので、晩飯用の弁当やら飲料水やらを確保してその時を待ちます。


あ、推進運転については以下の動画でご確認ください。
簡単に言うなら、列車がバックでホームに入ってくると言う
現状上野駅でしか見られない、しかも客車列車でのみ行われる儀式の様なモノですw





あたしがこの日乗車したのは11号車・オハネフ25 13
牽引してくれる機関車はEF510-509号機カシオペア色に塗られておりました。





◆16:20 上野駅出発
平日にも関わらず、多数のギャラリー(撮り鉄)に見送られての発車。
客車列車特有の、軽いショックの後にゆらゆらと走り出す・・・。
周囲の喧騒とは明らかに違う時間軸、コレこそがこの列車に乗車する醍醐味では無いでしょうか?


◆16:43 大宮駅
ホームには多数の通勤・通学客の姿。
イヤミに聞こえるかも知れませんが、この景色を北斗星の車内から見てみたかった(笑
イチバン安価な解放B寝台とは言え、実に優雅な気分にさせてくれます。


◆18:30頃 黒磯駅通過
覚えている限りで、この辺りまでは陽が残っており景色が堪能出来ました。
既に発車から2時間・・・手持ち無沙汰なので、こんな早い時間に晩飯を食べてしまう。。。


◆20:57 仙台駅
本日最後の客扱いをする停車駅。
すっかり夜も更けて、ココからいよいよ夜行列車の本領発揮と言ったトコロでしょうか?


◆22:00 一ノ関駅付近
グランシャリオ(食堂車)は、既に予約の時間を終えてパブタイム。
特に何か食べたいワケでは無かったのだが、これも体験の一環なので向かうコトに。
混むであろう時間を避けたので、15分程度の待ち時間で案内されました。
マルゲリータとソーセージの盛り合わせを母親とシェア、コーヒーは割に美味かった。


◆23:14 盛岡駅運転停車
平時の生活がアレなので、全く眠くなる様な時間でも無いのだが
とりあえずベッドにシーツを敷いて・・・なんとなくウトウト。。。


◆26:00 青森駅運転停車
さすがに寝ていたので、正確な青森駅到着時間は覚えておりませんが
臨時北斗星はココでおよそ2時間の停車、情報によれば北海道新幹線の工事を行う為に
深夜の時間は青函トンネルに進入出来ないからだとか・・・納得。


◆04:30 蟹田駅付近
目覚めると、既に空が白んでおりました。





◆05:03 青函トンネル進入
上野出発時点で・・・『参考までに、青函トンネルに入るのは明朝5:03頃』とアナウンスされておりましたが。
まさにドンピシャリ、正確には02分50秒くらいでトンネルに。。。
最深部の照明*1までは見てやろうと思っていましたが、あえなく撃沈orz



◆06:38 函館駅
途中で若干減速運転が入った模様で、約3分遅れて函館駅到着。
ココでは機関車の付け替えがあり、なおかつ進行方向が変わると言うコトで
乗客の大半を占める鉄ちゃん達は、その瞬間をカメラに収めるべくホームを端から端まで大運動会w





函館からは車内アナウンスも復活、道内を割とこまめに停車して行きます。
地図を見ると一目瞭然なのですが、ココから先は室蘭までずっと噴火湾を回り込むように進行して行きます。
つまり・・・進行方向に向かって右が山・左が海と言う景色が延々と続いて行く(笑
実に北海道らしい景色が、何時間も変わらないと言うコトなのです。


◆09:12 伊達紋別駅付近
どうしても朝食が食べたいワケでもないのだが、コレも体験しておきたかったので再びグランシャリオへ
混雑するであろう時間を避けたモノの、やはり30分近くは待ったでしょうか?
和食・洋食とも1,650円・・・ちなみにメニューはこちら
場所が場所ですから、値段のコトを言うのはヤボってもんですw
あたしは迷わず和食をチョイス、雄大な景色を見ながら食す炊きたての白飯は格別でありました。


◆10:40 南千歳駅
苫小牧を過ぎ、千歳線に入るとこの壮大な“アンコールラン”もおひらきが見えて参ります。
前述の通り、この列車に乗っている乗客の過半が移動の手段としてでは無く
北斗星と言う列車そのものを堪能しているので、終点の札幌まで乗り通すモノだと思っておりましたが
実際にはこの南千歳で下車する方が大勢おりました。


漏れ聞いたハナシでは、このまま空港に直行して午後から会社で仕事とかw
自分も似た様なモノですが・・・ヲタクってみんなそうなのですよね、お疲れ様です。



◆11:15 札幌
南千歳からの景色は、ある意味で見慣れた景色。
上野幌からが札幌市内、駅前に広がる野幌森林公園が良く見えます。
道内を走る特急は停車する新札幌ですが、この列車はしずしずと通過して行きます。
豊平川を渡るといよいよ都市部に・・・終点はもう目の前でありました。



かくして・・・上野を出発してから18時間と55分。
走行距離で申し上げれば、1214.7kmになるそうなのですが
無事に、そして快適に札幌に到着しました。


月並みな感想ではありますが、終わってしまえばあっという間の時間でありまして
早くも『もう一度体感したい』と思わせてくれるほど(笑


今回・・・イチバンの収穫と言えば
それは、普段あまり無い母と倅の間で行われた会話の数々。
マジメに書くのはこっぱずかしいのですが、平時は必要最低限のコトバしか発しないのに
コレだけの時間、顔を突き合わせていて
そして・・・テレビやPCと言った娯楽の無い空間では、自然と会話が発生するモノ。
親孝行なんて言うとおこがましいけれど、まぁ・・・ちょっとイイ時間が過ごせたのかな?
なんて自負をしている次第であります。。。



アンコールランなんて申しましたが・・・。
現在発表されている限りで、札幌発8月22日(土)が最後の運転日となります。
その後にも多少の何かはあるかも知れませんが、風前のともしびである事実に変わりはありません。
現に自分が乗車した車両、いわゆるブルートレイン型としては比較的新しい方の車両でありますが
それでも銘盤によれば落成は昭和47年、つまり43年間も走り続けた古豪なワケです。


乗車したいと言う想いをお持ちの方がいたなら、少々無理をしても一刻も早いアクションをおススメします!
かく言うあたしも・・・もう一回乗っておきたいと思っております(笑